有料老人ホームのおしゃべりサロン&コンサート
今回は6年目に入った記念すべき61回目でした!
ゲストはバンドネオン♪
タンゴを気持ちよく演奏しました☺
バンドネオンの音色は華があり、哀愁がありますね
ステキでした♡
演奏した曲は
「碧空」
「首の差で」
「黄昏のビギン」
「ラ・クンパルシータ」
初めて聴く音、初めて見る楽器に、参加者の皆さんも興味津々でした♪
9月15日、春日部エミナースにて
「ミュージックセラピーコンサート」を行いました
春日部第2包括支援センターからのご依頼です
今回、初めてプロジェクターを使いました
聴覚のみならず視覚も触覚も使うミュージックセラピーコンサートです♪
デイサービス利用のHさん(90歳女性)が
補聴器を新しくして、とてもよく聞こえるようになりました。
今まで、耳元で大きな声で話さないと意思疎通が取れませんでした。
ピアノ伴奏の音も聞こえなかったと思います。
他の人が笑っていても、内容が分からず寂しい思いをしてきたことでしょう。
それが、新しい補聴器になったら
笑顔でいろいろな質問にハキハキ答えます。
歌もよく歌えます。
表情がイキイキしてきました(^^)
驚いたことに
一人で椅子から立ち上がれないくらい筋力が弱く
車椅子の生活だったのに
今日は歩行器を使って歩いているではありませんか!!
耳が聞こえるようになったことは
それだけではなくて
「歩いて生活したい」という
希望や目的にもつながり
実際にそれを叶え
ADLをぐ~んと引き上げました☆
補聴器に関しては、
違和感があり、利用されない方を何人も知っていましたので
これほどいい効果がある方は初めてでした。
こんなに科学技術が発達しているのですから
もっともっとこの分野の開発が進み
Hさんのような方が
どんどん増えるといいですね♡
唱歌『鎌倉』は明治43年に「尋常小学読本唱歌」に掲載されました。
8番までありますが、すべて鎌倉の名所を歌っています。
1番の歌詞「七里ガ浜の磯づたい 稲村ケ崎名将の 剣投ぜし古戦場」という意味をご存知でしょうか?
1333年、鎌倉幕府を倒すため、新田義貞が稲村ケ崎から鎌倉に攻め込もうとした際、切り立った崖と狭い道で進むことができなかった。
義貞が黄金の剣を海に投げ入れると、海の水が引いて浅瀬になり、鎌倉へ攻め入ることができた。
そんな逸話が残っているのです。
そして
「真白き富士の根 緑の江の島」で始まる『七里ガ浜哀歌』(『真白き富士の根』)で歌われた、ボート遭難事故は
稲村ケ崎沖で起こったのだそうです。
そんなわけで、いつか行きたいと思っていた、稲村ケ崎を訪れることができました。
鎌倉から江ノ電に乗り、稲村ケ崎で降りると、海岸まではすぐです。
昨日のスマイルミュージックでいただきました(^^
😃
お散歩で摘んできてくださったようです。
スタッフの代わりに歌詞指しをしたり、楽器を配ったり、
ありがとうございます!
2016年1月3日
今年のサロン&コンサートは正月三日からスタートしました。
サロン&コンサートは
「入居者様の生活を心豊かなものに」
という思いで毎月1回行っています。
お茶とケーキを召し上がりながら
毎回テーマを決め、
音楽はもちろん
お誕生日の方のお祝いもあります。
今回は筝や日本の古楽器についてのミニ知識コーナー、
相方いなけんとの爆笑トークでたくさん笑っていただきました。
新春にふさわしく、筝の先生をゲストに招きました!
参加者の皆さんが、部屋に入ってきました。
筝を見ると、
「これお琴?」
「私も若いころやりましたよ」
など嬉しそうに話したり、
着物を着ている先生に
「やはり着物はいいですね」と話しかけたり、
いつもより華やいだ気持ちになっているようです。
今回も2ステージで行いました。
11月のおしゃべりサロン&コンサート
今回はフルーティストの磨見沙織さんをゲストに迎えました。
皆さん、フルートに興味津々☺
間近で聴くフルートの音色に酔いしれていました❤
私もフルートとのアンサンブルは新鮮でとても楽しかったです~
11月20日
春日部市第2包括支援センターのお招きで
春日部市 ウェルガーデンエミナース でスマイルミュージックを行いました。
このウェルガーデンエミナースは「サービス付き高齢者住宅」と言って
「介護付き」ではないところから、元気なお年寄りの住宅だと分かります。
お食事のサービスがあり、デイサービスもあります。
近隣のお年寄りもデイサービスには通って来られているようでした。
庭が広く、広大な敷地で、まるで超高級老人ホームのようでした。
ステージの奥も竹林になっています。
この日はここにお住まいの方や、デイサービスのご利用者様、近隣のグループホームにお住まいの方、近隣の高齢者など50名のお客様がいらしてくださいました。
スマイルミュージックで
二十四の瞳についてお話しするので
予習としてDVDを借りてきました。
昭和3年、
小豆島の分教所に赴任した新任教師大石先生と
教え子の1年生の12人の子どもたちの終戦までを描いています。
昭和初期の子どもたちの様子、服装などとても参考になります。
写真をご覧ください。
小学校低学年です。
みんな絣の着物を着ていますね。
これが少し大きくなると、セーラー服や学生服に変わっていきます。
全編に唱歌が流れます。
今の高齢者の方々が
どんなに認知症が進んでも唱歌を歌えるのはこういう背景なのかな、
と考えさせられました。
貧しさや戦争がつぶらな瞳の子どもたちの運命を変えていきます。
やはり戦争は絶対に起こしてはいけないし、加担してもいけません
春日部包括支援センター主催
スマイルミュージック体験
老人福祉センターにて
毎年行っていますこの企画
リピーターは半数くらいでしょうか
「歌が大好き」
「またあれやりたくてさ」(手で楽器を振るしぐさ)
「若返ったよ」
「懐かしくて涙出る」
など、嬉しい感想をいただきました。
とある特別養護老人ホームでのこと
このホームには、最近オシャレな帽子をかぶった入居者様
転倒した時に頭を守るための帽子です。
これまでのヘッドギア型と比べると、とても人間らしい。
このホームは他の所と比べると
車椅子率がとても低いんです。
徘徊の方のための、寝転んでくつろげるスペースもありま
椅子と比べると、歩き出すのが大変なので、休憩をとって
そのせいか、音楽の時間、ハキハキしている方が多く、反
介護スタッフに聞くと
「車椅子にしないのは、残存機能を維持させるためです」
介護側としては、車椅子のほうが介護しやすいのでしょう
「その人がその人らしく」生活するのが、本来のこういっ
介護の方針は施設によって随分違うものですね❤
今日の有料老人ホーム
おしゃべりサロン&コンサートは
久々にいなけん登場!
テーマは「国民栄誉賞」です♪
歴代の受賞者の写真を見せて
名前を思い出し、エピソードを添えます。
視覚刺激はすごく活性化しますね(^O^)/
写真は
チェロのギター奏法「影を慕いて」
涙あり笑いありの90分となりました♪
7月25日は有料老人ホームでの33回目のおしゃべり&サロンコンサートでした🎵
今回は「世界の音楽」をテーマに世界地図を示しながら、演奏を聴いたり、歌を歌ったり、おしゃべりをしたりしました。
ゲストはベーシストの阿部泉さん
ピアニストの佐分理恵さんとの息もピッタリ
1曲目の「A列車で行こう」でベースの深くて心にズン!と入ってくる音で、聴いている皆さんが一気に音楽の世界に入っていくのが分かりました。
イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ロシア、アルゼンチン、ブラジル、そして日本
時には私も演奏に参加し、色々な音楽に触れることができました🎵
最後は「みんなでベースを弾いてみよう」コーナー(^^)
表情が見せられなくて残念ですが、皆さん興味津々で、弦を弾いていました!
ベースって素晴らしいですね❤
「いつも言おう言おうと思ってなかなか言えなかったんですが」と前置き
「音楽のあった日はみんな機嫌いいんですよね」
今日職員の方からいただいた言葉です☆
音楽の場ではニコニコは当たり前ですが
”その後”の生活でも音楽の効果が持続しているか否かは現場の職員しかわかりません。
その日一日だけでも心穏やかに過ごしていただけるなら本望です。
(月に2回しかないのがやるせませんが・・)
スマイルミュージック♪明日も頑張ります(^^)
今月の有料老人ホームでの
”おしゃべりサロン&コンサート”は
ゲストに野菜ソムリエの鈴木由美子さん
をお招きしました。
絵本「やさいのおなか」を拡大コピーし
野菜の断面を見せて、
何の野菜でしょう、とクイズをしたり、
3種類の柑橘類を見て、触って、
香りを嗅いでもらったり
ヴァイオリンとピアノの演奏を聴いたり、
歌も歌って
とても盛りだくさんで豊かな時間となり
ました。
始まる前に怒っていた人が、ニコニコ(^^)に
ぐったりと寝ていた方が、最後には目がパッチリ開いてやさしい笑顔に
鈴木由美子さん、
そしてさりげないBGMで雰囲気づくりをいつもしてくれる佐分理恵さん、
ありがとうございました!!
今日は31回目の
有料老人ホーム「おしゃべりサロンコンサート」でした♪
相棒のいなけんが仕事でお休み。
そこで、今回はJAZZベーシストの阿部泉さんが助っ人に(^^)
しかも、ピアニストが体調不良で欠席になってしまい、
初対面の阿部さんと二人でのおしゃコンでした(^^;
どうしよう・・・と緊張しましたが・・
阿部さんが穏やかで優しい方で、アシストしてくださり
おかげさまで、とても楽しいコンサートになりました♪
ご婦人方は
実際に見たことも聞いたこともないベースと
イケメンの阿部さんに♡♡
普段はおしゃコンに興味のない男性が、音を聞いて飛び入り参加したり、
認知が重く、ほとんど寝ている男性が、顔を上げ、目を開き、涙を流して懐かしそうに聞いていました。
実際にベースを弾いてみましょう、というと
私もやりたい、私も、私も・・とたくさんの方が実際に弦を弾いて音を出していました(^O^)
阿部さん、ありがとうございました!
一緒に演奏できて楽しかったです~
昨日はいろいろ考えるて、なかなか寝付けませんでしたが、
今日は熟睡できそうです♡
木下恵介監督「野菊の如き君なりき」を見ました。(1955年)
原作は「野菊の墓」です。
明治39年にできた小説です。
この頃の服装や髪形、生活の様子がよくわかって参考になります。
さすがに明治生まれの方はいませんが、100歳近い方々の当時の暮らしを垣間見ることができました。
女性が学問をしたくても、学問よりも裁縫だと言われます。
着物も縫えないようでは嫁にいけない、と言われます。
たった2歳年上だということで、好き合った二人は離れ離れに。
お金持ちの人との縁談を断り切れずに、いやいや結婚します。
悲しいラストは涙なくして見れません。
そんな時代でした。
ふと思い出しました。
私の祖母は明治32年生まれ。
一度は嫁いだものの、離縁、
実家に戻っていたときに
祖父と出会い、結婚しました。
当時としては珍しい恋愛結婚。
祖父は商家の長男でしたので、周りから反対されたのでしょうが、
よくぞ意志を通してくれました!
そうでなければ、私もこの世にいませんもんね♡
祖父は早くに亡くなってしまったので、逢ったことはないのですが
祖母はいつも着物を着て、粋な女性でした。
この映画は舞台を長野の千曲川に変えています。
不思議な縁ですね。
とある特別養護老人ホームにて
ここには大きな桜の木があって
毎年楽しみにしています
花曇りですが
お花見の方が
・・見えますか?
誰しもこの季節は心踊ります
地方の施設は
こういうところがいいですね(^^)
『湯島の白梅』
梅の季節には必ず歌う1曲です。
歌詞に出てくる「お蔦」と「主税」。
この物語はいったいどんな物語なのでしょうか。
先日も参加者からこんな感想が
「ああ、なつかしい・・」
「映画観ましたよ」
「長谷川一夫と山田五十鈴ね」・・・
と皆さんが大好きな歌なのです。
この曲は昭和17年に公開された「婦系図(おんなけいず)」という映画の主題歌です。
大正生まれの方にとっては青春時代の、昭和初期生まれの方にとっては物心ついたころの思い出の映画ということでしょう。
「婦系図」は泉鏡花の小説で明治40年に発表されました。
映画化は以下のようになっています。
今日は紀元節
そんな話で始まった今日のSmile Music
音楽療法士になったとき母がつくってくれたお手玉を小道具に使いました。
みんなニコニコ
お喋りがはずみます
母の形見ですと言ったら
涙を溜めて「よくできてるね」とお手玉を褒めて貰いました❤
いつも音楽療法 smile music で
お世話になっているグループホームで手打ちそばのそば祭りが開かれました
寒い風の中、地元産のそば粉で作られたお蕎麦
とてもいい香り☺
ありがとう❤
ごちそうさまでした~
今日は朝から三味線とのリハ
今月の有料老人ホームの「おしゃべりサロン&コンサート」は
三味線音楽療法士の田島香さんを迎え、三味線を堪能してもらおうという企画なのです。
リハがとても楽しかったので
そのまま午後の音楽療法にも出演していただきました!
デイサービスの皆さんの笑顔が半端じゃなかった\(^o^)/
三味線、ホントいいです☆
民謡は自然と手拍子が出ます。
この自然発生的なことがすごく大事なのです。
三味線の師匠からお借りした立派な締太鼓
参加者の皆さんにも叩いていただきました。
一人ひとりの叩き方が一人ひとりちがっていて
みんな子どもに返ったようないたずらそうな笑顔になって
とても感動的でした☆
にわか太鼓叩き係、いなけんの太鼓もさまになってますね☆
民謡の他、『涙そうそう』『ふるさと』『酒は涙か溜息か』『お富さん』『祇園小唄』なども三味線の伴奏で歌いました。
『祇園小唄』の三味線、すごく良かったなあ♪
三味線&ヴァイオリン&チェロは『涙そうそう』を
三味線&チェロは『ふるさと』を
演奏しました。
香さん、ありがとう❤
ああ、嬉しいな☺
今日は地元と大宮の特養ダブルヘッダーでした♪
午前中の特養は各フロアごとに月に1回ずつの音楽療法があります。
今日のフロアにはとってもステキな方がお住まいです。
90歳はとうに過ぎている女性ですが
たたずまいが凛としています☆
そして、いつもステキな笑顔を見せてくれます。
「あんたに会いたくてまた来たよ」とかならず声をかけ手を握ってくれるのです♡
私もこんなおばあちゃんになりたいと思うところは
「演奏しているとき、手拍子する職員がいるけど、がっかりするね~」
という感性を持っているところ。
いくつになってもどんな環境でも一本筋が通っている、なんてステキなんでしょう☆
たくさんの別れがあったけど
この方とはしばらくはお別れしたくないな~
と思ってしまうのです。
次にお会いするのは1ヶ月後
また会えますように♪
10年ほど前から音楽療法を行っている施設で今年はドラムなど打楽器をたくさん買っていただきました!
昨年はトーンチャイムやベルを購入していただきましたし
本当にありがたいです❤
ドラムは新製品でヘッドが取り外せて3つが重ねて収納できるものです☆
持参した楽器と合わせて、ドラムがこんなにたくさんになりました。
ここでは
音楽で得たことが普段の生活や仕事をする上で応用できることを目標としています♪
とあるデイサービスでゴッホもびっくりの芸術作品に感動!
お年寄りたちの作品です。
バックに富士山まで!!
こういうサービスがいいのですよね☆
ひとり暮らしの方が何人かいらっしゃいますが、いつまでもお家から通ってきて欲しいです。
虹をテーマにしたプログラムで
こんなに嬉しい反応がありました!
虹ときいて、「こんな歌あったな~」と歌いだした方が・・
すると、隣の人も一緒に歌いだしました。
「虹が出た~ 虹が出た・・・」
これは文部省唱歌の『虹』です。
動画はありませんでしたので、こちらをどうぞ。
今日は某特養の音楽療法でした。
セッションの場所に25分前に行くと、すでにたくさんの方が並んで待っていました。
私に気づくと、「待ってました」「いつもこの時間が待ち遠しい」「今日も楽しみです」と口々に話しかけてくれます。
ある人は私の手を握り涙ぐんで「また来てくれてありがとう、待ってました」と言ってくれました。
まるでスターのように向かい入れてくださいました。
これは職員の方のお陰です。
「楽しい音楽の時間が始まるよ」と言って参加者の皆さんを盛り上げてくれているからなんです。
この音楽の時間の意味を分かってくれているからなんです。
同じ場所でも職員の方の意識によってまったく違った雰囲気になります。
あくまでも私は「外から来てくれる音楽のひと」なんです。
この職員のためにも今日も汗だくで頑張りました。
始まりから皆さんがノッてくるまでの20分間がいちばん大変です。
でもこちらの気持ちは通じるのです。
笑いあり、涙ありの1時間となりました。
日常とは一味違った1時間を楽しんでもらえたかな~
今日の職員さん、ありがとうございました!
今日の感動☆
有料老人ホームでのひとこまです
音楽療法が始まってほどなくして、若いお母さんと小さい娘さんが入ってきました。
あれ?と思い、お話しすると参加者のAさんのお孫さんとその娘さん、ひ孫です。
Aさんはすぐに分かって、目に涙をためて喜びました。
お隣に座っていただき、また音楽を始めました。
2歳になったばかりというのにとてもしっかりしています。
こんなかわいいゲストが入って、いつもの音楽療法が一気に華やぎました。(子どもにはかないませんね)
約1時間静かに座っていられたのも素晴らしいですが、終わる前に前に出てきてくれて、皆さんにご挨拶とバイバイをしてくれました。
終わってから聞くと、お孫さんは母子家庭で、お母さん(Aさんの娘)は身体が弱く、Aさんに育ててもらったのだそうです。
だから、老人ホームは自分の家の近くを選んだ、と言っていました。
なんだか感動してしまいました
いつも、真珠のネックレスをしておしゃれを楽しんでいるAさん
本当に幸せそうでした(*^_^*)
お孫さんも、ひ孫ちゃんもステキでした☆
お腹には2人目のお子さんがいるとか(^^)
一日の初めにこんな場面に遭遇できて私もシアワセでした♡
今日の音楽療法で97才の方からいただきました~
見えますか?
「施設の皆な好(き?) 音楽の先生 春夏秋冬 歌」
チョコと共に嬉しいメッセージ☆
雪が降ろうと槍が降ろうと行かなくてはね(^^)
病気なんてしてられないんです♪
2013年11月30日、おしゃべりサロン&コンサートはめでたく2年目に突入しました。
お客様(入居者様)の中には亡くなられた方や入院中の方もいらっしゃいます。
人生の最後を迎えるこのホームで、皆さんが少しでも心豊かに楽しい気持ちで過ごされるために、私たちは心をこめておしゃべりサロン&コンサートを行っていかなくては、と思います。
今回の参加者は30名、とてもたくさんの方々が申し込みをしてくださいました。
毎回テーマを決めて進めていくおしゃべりサロン&コンサートですが、今回のテーマは「パステルアート」です。
音楽療法士で月に1度私の音楽療法のアシスタントをしてくれている田島香さん、彼女はパステルアートのインストラクターの資格も持っています。
パステルアートとは綺麗な色とりどりのパステルを削って粉状にし、指やコットンを使って絵を描きます。詳しくはこちら。
この何とも言えない柔らかでやさしい絵は高齢者の方々にぴったりじゃないか、とピンと来て準備を始め、ついにこの日を迎えました。
インストラクターのお友達2名もお手伝いに来てくださり、今回のおしゃべりサロン&コンサートは総勢6名の賑やかなスタッフで構成しました。
昨日、東京オリンピックが決定しましたね
こちらでも様々な意見が飛び交っていますが、今日は昨日聞いたステキなお話を掲載します
昨日は有料老人ホームで音楽療法がありました
始まる前に参加者の皆さんとオリンピックの話をしていました
すると、その場に入ってきた男性が、すこし興奮気味にこんなことを言われました
「7年後は私は100歳になる。これはすごい意味がある。オリンピックと100歳が糸で結ばれた。私はこれでまた生きる目標ができた。」
この方は、昨年までは菊の花の栽培をしていましたが、施設の日照不足のため、思うように花が咲かず、ついに今年は栽培を断念してしまったのです。
そのため、少し昨年より元気がなかったのです。でも、今回のことでまた生きる気力が、生きる意味が見つかりました。
7年後、みんな歳をとっていますが、高齢者の方々にとっては切実な7年です。
オリンピックがたくさんの人に生きる希望につながるなんてとても素敵だと思います☆
今日もステキなお話をたくさん聞けるといいな♡
「音楽で笑顔に」がんばっぺ♪
片付けをしていたら8年ほど前に使っていた万歩計を発見!
この頃は高齢者施設で音楽のワークを毎日毎日3セッションしていました
ピアノもろくに弾けなかった私でしたが、毎日1万歩近く歩いて仕事をしながら、通信で学んでいた頃です
学校を卒業するまで3年ほど勤めました
高齢者の病気のこと、ケアのこと、心理的なことも勉強できました
この修行があったからこそ今の私があると思っています☆
これは捨てられませんね♪
今日はいつもお世話になっている有料老人ホームの夏祭りにお呼ばれ
露店やスイカ割り、カラオケ大会がありました
カラオケと言えども、皆さんが楽しく歌えるように、つい張り切ってしまう私でした~(^_^ゞ
職業病ですかね♪
右の写真はクラベスです。素材はローズウッド、黒檀、カリン、メープルなどからできています。手軽なのですがいい音がします。
私の持っている右の楽器、重さは1本が100グラムです。楽器として使う時には2本必要です。
あるデイサービスでタンゴのリズムを楽しもう、ということでいろいろな木の素材の楽器を籠の中に入れてお好きなものをどうぞ、と選んでもらいました。
タンゴのリズム、『ズン、チャッ、チャッ、チャチャ』と叩き初めて2分後、クラベスを持った何人かの女性(80代)のかたが、「重いから替えて」と言いだしました。
たった200グラムですが、高齢者には重く感じるのですね。
加齢とともに筋肉はどんどん減っていきます。筋繊維数は25歳をピークに65歳までの40年間で徐々に25%減少するそうですが、その後の減少スピードはかなり速く、80歳までにはさらに25%減少してしまいます。80歳にはピーク時の半分の筋繊維しか残っていないことになります。
日本は高齢者社会です。高齢になっても介護されない身体づくりのために国は「介護予防」という事業を展開しています。
65歳以上の要介護予備軍の人々に、介護予防の必要性を認識させ、必要と思われる人には「介護予防教室」に参加してもらいます。この場合の目的は 次の6つです。①運動機能の向上、②栄養改善、③口腔機能の向上、④閉じこもり予防・支援、⑤認知症予防・支援、⑥うつ予防・支援
内容は「体操」「口腔ケア」「脳トレ」などが多いようです。残念ながら「音楽」は必須ではありません。
参加者が「楽しかった」「また行きたい」と思えるプログラム作り、笑顔になるプログラム作りのために、ぜひ「音楽」を加えて欲しいな、と思います。
例えば歌を歌うことは②以外のすべてに当てはまると思うのです。楽器を持って鳴らすことは①④⑤⑥に当てはまります。
軽いうつ、または気分の落ち込みのある人に、「さあ体操して元気になりましょう」と言っても効果は得られません。でも音楽なら効果が期待できるのではないでしょうか。
お役人の皆さん、音楽ってすごい力を持っているのですよ~
でも西洋医学至上主義の現在では音楽の力を証明しない限り無理・・なのだよなあ
あの大きな地震と津波でたくさんの命が犠牲に・・あれから2年の月日がたちました。
あの日、あるデイサービスで音楽療法をしている最中に地震が起きました。
わたしはヴァイオリンを弾こうとしているそのときでした。
恐ろしくて、ヴァイオリンを持ったまま、参加者のみなさんと抱き合っていました。
デイサービスの部屋の電気が消えました。
外のワゴン車が大きく揺れていた、怖かった。
家に帰ると、いろいろなものが落ちてきたようで、愕然とした。
テレビをつけると信じられない光景が・・
家族の安否を心配しながらも連絡をつけることもできない。
そして、私は一人なんだと痛感した。
何とかしなきゃいけない。
まずは懐中電灯を探す。
あったけど、電池が無い。
電池を買いに近所の電気屋さんへ。
なんとかあった。
懐中電灯があるだけで安心感がちがった。
ふと、ある老婦人のことが思いやられた。
その方は近くに住む90代の女性。
一人暮らしで身寄りはない。
音楽療法を学んだ学校での卒業論文に協力してくれた方だ。
あの人は、いまごろどうしているだろう。
私の足はその方の家へ向かっていた。
元気でいたけれど、案の定電池が無いと言う。
近くにスーパーがあるのでそこで残り少ない電池を買い、届けた。
それから1年半が過ぎた頃、その方から「花は咲く」を覚えたいから教えて欲しい、と言われた。
キラキラした目で私を見つめていた。
その方のおかげで、今年の3月にはたくさんの施設で「花は咲く」の合唱をすることができた。
音楽療法の最後に黙祷の代わりに「花は咲く」をみんなで歌った。
歌で心が一つにまとまる。
想いもひとつ。
どうかみんなが心安らかになりますよう☆
今日の音楽療法は某有料老人ホームでしたが
いつものように元気よく「おはようございます~」と入っていくと、神妙な顔つきの職員さんが、「お願いがあります」
私が行っている音楽療法は、内容も態度も、とても勉強になるので、これから何回か職員に見学させて欲しいとのこと。
今まで何年もこの仕事をしてきましたが、こんなこと言われたのは初めてののことでした
信じていることを続けていれば、こんな嬉しいこともあるのですね~♡
というわけで、その日の音楽療法は後ろの方でメモを取りながら何人かの職員さんが見学していました。
音楽療法は認知度がまだまだ低く、音楽療法士の資格があることも知られていません。
行っている施設は少ないですし、音楽療法と音楽レクを区別していない施設も多いと思います。
私の音楽療法を見学して職員さんがたが何かを感じてくださり、何かに気づいて、これからの介護に役に立ててくれたらいいな、と心から願っています。
私が音楽療法で心がけている10個の「気配り&心配り」については会員限定の「音楽療法のヒント!」でお伝えしたいと思います。
会員登録はこちらからできます!
成人の日がありましたね。
なので、高齢者の現場で「20歳の頃なにしてましたか?」とお聞きしています。
これは回想を促すのが目的ですが、その際、たとえ思い出した事柄がマイナスのことであっても「いやな思い出」で終わらさないことが大切です。
「それでもいい人生だった」とその方にむけて言葉を尽くします。
白板に大きな字で「20歳の頃何してましたか?」と書きます。
答えのヒントとして「働いていた」「勉強していた」「結婚していた」も書きます。
どうしても答えられない方がいるからです。
今日のデイサービスではいろいろなことが聞けました。
「お裁縫の学校に行っていました」
「銀行で働いていました」
(このかたはいつもは控えめなのですが、この時は胸を張って答えてくれました)
「神田の飴屋さんで飴を切っていました」
「恥ずかしいんだけどもう長男を育てていました」
「建築の勉強してたな」
(このかたは男性、普段は自分のことなどちっとも話してくれないのですが、少し得意そうに話してくれました)
「肉屋で修行していました」
(本当は初めてできた女性警官になりたかったのだそうですが、夢叶わず。しかし、その後交通指導員(緑のおばさん)になり20年間子どもたちを見守ってきたそうです)
「勤労奉仕で工場で働いていた」
(パラシュートや風船爆弾を作っていたそうです。風船爆弾の風船はすごく大きいんですよ、と貴重なお話しをしてくれました)
「日曜日になると映画を見に行きました」
どの人もとても具体的で面白かったなあ
このような話しを聞けるのもお互いの信頼関係があってこそです。
「おしゃべりサロン&コンサート」のサービスのひとつに「お茶とお菓子」があります。
施設にはおやつの時間がありますが、人手や予算の関係でしょうか、どうしても食器や内容に限りがあります。
そこで、サロンではお茶を入れる食器をこんなイメージのカップ&ソーサーにしました。
なんと!ホーム長が自ら選んで買い求めてくださったのです。
このカップ&ソーサーは大変好評をいただいています。
そしてお菓子にもこだわります。
私が伺うデイサービスなどでごくたまにその施設の調理担当の方の手作りのおやつが出ることがあります。それはたとえ、市販のゼリーやアイスが食器にかわいく盛り付けられているだけでも嬉しくなります。蒸かしサツマイモだって嬉しいものです。作ってくれた人の顔が浮かび気持ちが伝わるからです。
なので、サロンのお菓子はホストの娘さんの手作りにしました。
彼女は今パテシエ修行中なのです。そして、お菓子を紹介する時に「今月のパテシエ」ということで、パテシエの近況報告も。パテシエの成長を見守るのも参加している方々にとっては楽しいことかな、と考えました。
お菓子はそれぞれ説明された後、私たちがBGMを演奏する中、職員の方がサーブしてくれます。そして参加者にどのお菓子がいいか選んでもらいます。
また、卵のアレルギーの方がいらっしゃるので、その方には申し訳ないのですが卵を使っていないケーキをケーキ屋さんから買い求めてお出しします。
ありがたいことに、ホーム長から、パテシエのお菓子講座を開いてほしい、とオファーまでいただきました。
下にケーキの写真を載せましたのでごらんください。
この続きはその3で~
とある施設でのこと。
音楽療法に伺うと、介護スタッフが参加者を案内します。
ホワイトボードに向かって3列くらい(多いところは5列にもなるときがあります)椅子や車椅子に腰をかけた参加者が並びます。
一番前の特等席についたKさん。
ニコニコしながら始まるのを待っていました。
少しすると「おしりが痛い」と訴え出しました。
すると、そのユニットの中でリーダー的な女性の職員が「このひと、寝かせます」と言って、車椅子を動かしました。
その方に一言も声をかけずにです。
私はこういう時、「ちょっと待って」とつい一言、言いたくなってしまいます。
「どうして寝かせるんですか?」
「ああ、この人、いつもは午前中ベッドに寝かせとくんです。そうしないとお昼食べないから」
Kさんは「このひと」ではありません。
せっかく音楽が始まろうとしているのに、一番前のいい席で待っていたのに、一言も声をかけず謝りもせずにベッドに寝かされてしまうKさん。
こういう時、私はとても憤りを感じます。
施設に入居して受けられるサービスは、食事、睡眠、入浴、排泄などの生活サービス、通院や日々の健康チェックなどの医療サービスなどがありますが、いまだに心のサービスは行き届いていません。
お尻が痛くてもなるべく痛くないような体勢を取らせてあげて、楽しみの時間をサービスしてあげて欲しいものです。
高齢者施設にはいろいろな種類があります。
その中でも最近音楽療法の仕事が増えてきているのが「有料老人ホーム」です。
ご存知の通り、「有料老人ホーム」は入居するのに大変な金額がかかります。
そして、毎月支払わなくてはならない費用もかなり。
お話しをすると、ご自分のことを「わたくし」という方が普通にいらっしゃいます。
外国に旅行に行ったこと、ダンスを踊ったことを懐かしそうに話される方や、万葉集や歴史にお詳しい方もいらっしゃいます。
そして、音楽がお好きな方が多いようです。
音楽療法は人気があり、施設の半数以上の人が参加します。
どこの有料老人ホームも参加者が多いので、音楽療法は2回に分けて行われるようになりました。
「この時間が一番楽しい」
「他に楽しみがないからね」
「音楽があった日は気分がスッキリする」
など、嬉しい感想を言ってくださいます。
また、「この歌を知りたいので今度教えてください」と断片的に覚えている歌を聞かれる時もあります。
私は思います。
『この方たちにもっと満足してもらうにはどうすればいいのだろう?』
『毎日の生活がもっと心豊かに送れるようになってもらいたい』
『縁あって一緒に生活するのなら、みんながもっと仲よしになったらいいのに』
そこで考えたのが「おしゃべりサロン&コンサート」。
毎月、話題(テーマ)を提供し、それにちなんだ音楽を聴いたり、楽しい語らいの時間を提供します。
サロンとはその昔、フランスでは宮廷や貴族の邸宅で、主人が文化人、学者、作家らを招いて、知的な会話を楽しんだ場所です。
私の目指すのもそういった場所なのです。
ホスト(チェロ弾き)とホステス(私、ヴァイオリン弾き)が参加者の方々をさまざまな趣向でもてなします。
音楽療法の時とは違ってドレスアップ。
参加者の皆さんも少しオシャレして。
3回目が先日終わりましたが、1回、2回目の反省を踏まえ、完成度の高いものになりました。
参加者のみなさんも、どういうものなのか分かったのでとてもリラックスしていました。
そして、何よりいいのは、参加者のみなさんから「こうしたい」「こんなことやって」という声が少しずつ出てきたことです。
私たちはその声を現実にするために、さらにさらに発展していかなくてはなりません。
「おしゃべりサロン&コンサート」、今年は他の施設にも広めていきます!
お試しサロンもありますので、お気軽にお声かけください。
長くなりました。
この続きはその2で~
仕事始めの昨日は特養の音楽療法でした。
ここは昨年の3月から始めた新しい現場。
昨日もらった嬉しい言葉
「あんたが来る日だと思ってたよ」
「この顔見なきゃ始まらない」
「朝、来るって聞いたから楽しみにしてたよ」
などなど。
私のことを覚えてくれて親しみを込めて話してくれる人が増えてきました。
これってすごく大事なこと。
音楽療法の1時間が充実したものになるためにすごく大事な要素です。
音楽療法士はまず、クライアントに好かれないとだめなんです。
どうすればいい?
私の答えはただひとつ、「クライアント一人ひとりを好きになればいい」。
それだけです。
知的障がい者の福祉作業所
ここでの音楽療法も足かけ10年になります。
作業所ですから、普段はいろいろな仕事をしています。
たとえば、地域の公共施設の飲み物自動販売機の補充、廃品回収、病院の洗濯室、文化施設内喫茶コーナー、さをり織などがあります。
月に1度第4水曜日の午前中が音楽療法の日です。
ドラムサークルが主な活動で、歌唱やベルの演奏も行います。
いつも30人くらいの人たちが参加します。
先日、来年度からの曜日変更をお願いしました。
音楽療法のサポートしてくれている仲間が水曜日が都合が悪くなってしまったからです。
すると、担当の人がこんなことを言いました。
「わかりました。私の一存では決められないので会議に諮って皆で決めたいと思います。音楽療法に出たい人が大勢いるので、水曜日に音楽療法がある週は、月曜日と火曜日に仕事を多めにして水曜日の仕事量を調節しているのです。いろいろな班の都合もあると思いますので。」
それを聞いて私はハッとしました。
「そうだったんだ。参加者のみんなも、職員の方々も、この日のために時間のやりくりをしてくれていたんだ」
ありがたいことです。
ますます頑張らなくちゃ!
あるデイサービスで音楽療法が終わって帰り支度をしている時
90代の女性がニコニコしながら歩行器を使って私の側にやってきました。
なんだろう?と思い、「どうしたんですか?」と訊くと
「先生、新しい歌はやらないんですか?」とおもむろに問いかけてきました。
どういう意味か分からなかったので「どういう歌ですか?」と訊くと
その方はこう言いました。
「今、NHKでやっている歌が私はとても好きなんです。震災の歌です。覚えたいんだけど
テレビに出てくる字は小さくて見えなくて・・花は咲くって言う歌です。」
私の家にはテレビが無いので、こういう時には、やっぱりテレビって必要なのかなあ、とおもってしまうのですが・・(笑)
そのとき、私はピンときました!
そう言えば、田舎にひとり暮らしをしている父が「この歌いい歌だよ」と言っていたっけ。
そして感動しました!
90歳を過ぎてもまだ新しい歌を覚えたい気持ちがあるのです。
歌詞やメロディに心を動かされるのです。
その方には「じゃ次の音楽療法の時に歌いましょうね」と約束をしたのです。
そして、10月からいろいろな施設でこの歌をとりあげています。
まずは白板に「花は咲く」と大きな字で書き、「この歌知っていますか?」と問いかけます
すぐわかるかた、知らないな、というかたいろいろです。
そこで「花は 花は 花は咲く~」とサビの部分を歌ってみます。
すると、「あ~」と分かる方がチラホラ・・
ヴァイオリンで演奏し、全体を聴いていただいてから、歌詞を貼って、サビの部分を練習します。
「初めのところは知らなくて歌えなくても、ここに来たら歌ってみてくださいね」と言って、大きな声で歌い始めます。
徐々に歌声が大きくなり、サビは結構いける感じになります。
いろいろな施設で試してみましたが、「この歌覚えたかったんです」と言う人が結構います。
知らないだろうなあ、という歌を歌ってもらおうと思うと、とても不安です。
果たして、歌ってくれるかしら・・・
シーンとしちゃったらどうしよう・・
でも、やっぱりやってみなくちゃ分からない!
いつもクライアントから教わること多いなぁ
私の行っている施設のみなさんが「花は咲く」を歌えるようになって、3月に大合唱をすること、を目的に、継続して歌っていこうと決めました♡
偶然ですが「失語症と音楽療法」がさりげなく(というかほとんど全編にわたって)描かれている映画を観ました。
あるデイサービス。
ここは地域密着型といいますか、利用者同士が近所だったり、昔ながらのお知り合いだったりします。
農村部に位置するので田植えが終わった今は蛙の大合唱がきこえてくる、そんなところです。
参加者は6人、今日の会話の中心はKさん、Tさん、Nさん、Aさん、いずれも大正生まれの女性です。
いつも、歌を歌いながら、歌にまつわる話をしますが、今日はとても話がはずみました。
今は雨の季節、雨の歌をたくさん歌いました。
《雨》「雨が降ります 雨が降る 遊びに行きたし傘は無し 紅緒の木履(かっこ)も緒が切れた」
Kさん 「子どもの傘はよく破けたんだよ」
私 「傘が破けたんですか?」
Kさん 「そうだよ。学校行く時、桑畑なんか通ると、桑ってのは枝が横に伸びてるだろ?枝に当ってすぐに破けちゃうんだよ」
私 「破けたらどうするんですか?」
Kさん 「しばらく我慢するんだね(笑)」
なるほど、傘が無いなんてよくあることだったんですね。
《雨降り》「雨 雨 降れ降れ 母さんが じゃのめでお迎えうれしいな」
Nさん 「じゃのめってのはね、裏から見ると綺麗なんですよ」
Kさん 「昔は傘は大事だったからね」
Nさん 「お嫁に行く時はじゃのめを持って行ったんです」
へえ、嫁入り道具に蛇の目傘ですか。今は使い捨ての時代、世の中随分かわりました。
その後のお茶の時間にも花嫁道具の話ははずみました。花嫁道具、他には「たらい」(赤ちゃんの産湯やおむつ洗いに使います)、「張り板」(浴衣は縫い目をほどいて布にして、洗って糊をつけてこの板にピンと張って干します、アイロン要らずです)、「蚊帳」なんて変わったものもありました。
《雨降りお月》「雨降りお月さん 雲のかげ お嫁に行くときゃ誰と行く ひとりでから傘さして行く から傘ないときゃ誰と行く シャラシャラシャンシャン鈴つけた お馬に揺られて濡れていく」
私 「皆さんはお嫁に行くときは馬でしたか?」
Nさん 「(笑)昔はね、りんたくってのがあったんですよ」
Tさん 「人力に乗れる人はお大臣、私たちはりんたくですよ」
私 「りんたくってなんですか?」
Kさん 「リヤカーみたいなのを自転車で引っ張るんだよ。乗り心地は悪いよ」
Aさん 「昔は砂利道でしたからね~」
Kさん 「坂道になると運転手は自転車を降りて引っ張るんだ(笑)」
歩くのは当たり前の時代だったのですね。ちなみにTさんは、お嫁に行くときの条件として自転車を買ってもらったのだそうです。「実家まで帰るのに歩いたら1時間かかるからね。でもそうは帰れなかった」
このほかにも、薪で焚く風呂、わら打ち、蚕・・・いろいろなお話しを聞きました。
当時の人は、今の私たちでは到底耐えられないようなことを辛抱して暮らしを支えてきました。
今の繁栄はこの方々のおかげです。
高齢のかたは、自分のことをあまり語りたがりません。
しかし、歌うことによって、こんな貴重な話を聞くことができます。
回想では、「いつも参加者の心に寄り添い、その暮らしや生活や考えを肯定すること」が一番大事なことです。
楽器活動は音楽療法にとって必要不可欠なものです。