2013年11月30日、おしゃべりサロン&コンサートはめでたく2年目に突入しました。
お客様(入居者様)の中には亡くなられた方や入院中の方もいらっしゃいます。
人生の最後を迎えるこのホームで、皆さんが少しでも心豊かに楽しい気持ちで過ごされるために、私たちは心をこめておしゃべりサロン&コンサートを行っていかなくては、と思います。
今回の参加者は30名、とてもたくさんの方々が申し込みをしてくださいました。
毎回テーマを決めて進めていくおしゃべりサロン&コンサートですが、今回のテーマは「パステルアート」です。
音楽療法士で月に1度私の音楽療法のアシスタントをしてくれている田島香さん、彼女はパステルアートのインストラクターの資格も持っています。
パステルアートとは綺麗な色とりどりのパステルを削って粉状にし、指やコットンを使って絵を描きます。詳しくはこちら。
この何とも言えない柔らかでやさしい絵は高齢者の方々にぴったりじゃないか、とピンと来て準備を始め、ついにこの日を迎えました。
インストラクターのお友達2名もお手伝いに来てくださり、今回のおしゃべりサロン&コンサートは総勢6名の賑やかなスタッフで構成しました。
今回は入門編ということで、お手本のお花を見て書いていただきました。
最初は「手で描くの?」と躊躇されていたみなさんも、最初の一歩を踏み出せば、どんどん自由な発想が生まれ、お手本よりもずっと芸術的な作品がたくさん生まれました。
皆さんが描いているあいだ、ずっとピアノの静かなBGMが流れています。
描き方は人によってさまざま。はっきり言ってメソッドなんて関係ない!独創的な描き方が生まれます。
指につけて描かずに粉を大胆に紙にまぶし、それを指でなぞりながら油絵のような豊かな色の絵を描く男性。いつもは落ち着かず徘徊ぎみなのですが、とても集中して約1時間のあいだ、2枚の絵を描き上げました。とても満足されたのでしょう。描き上げた絵を大事そうにずっと持っていました。
お手本には飽き足らず、湖に沈む夕日と紅葉を描かれた91歳の女性はこの絵を回りの方々に褒められ、恥ずかしながらも嬉しそうにされていました。
さらには、実際にパステルをクレヨンのように持ち、ひなげしの花を写実的に描かれた方、この方は最近ご主人を亡くされたばかり、サロンに来てくれるかなあ、と心配していましたが、黒に包まれながらもこのような自己表現をされました。
認知症があろうが無かろうが、絵を描くことに集中し、仕上げていくまでのプロセスは同じなんです。
短期記憶が無い、うまく言葉でコミュニケーションはとれない、足腰が悪く一人では歩けない・・・それぞれいろいろな障害はあるけれど、一つとして同じような絵はありません。むしろ自由で独創的な絵がたくさん生まれました。
テーブルのあっちでもこっちでも大笑いの声が聞こえています。
ただ、高齢の方にとっては少し時間が長く、身体への負担があったかな、というのが今回の反省点。
せっかく買っていただいた画材ですから、今後は少人数の会で、よくやっているぬり絵に替えていいってただければ良いな、と思います。
また、本来パステルアートの持っているセラピーとしての活用も今後の可能性としてあるかな、と思っています。
3人の講師のみなさん、ありがとうございました!
これからもどうぞよろしくお願いいたします♪
コメントをお書きください