歌詞の提示

今回は歌詞の提示について書きます。

 

歌詞をみなさんはどのように提示していますか?

ほとんどの音楽療法士は摸造紙に書いているかと思います。

私も歌詞は摸造紙に書いてホワイトボードに貼り、参加者はそれをみながら歌います。

 

以前、ある高齢者のデイサービスにて「歌のボランティア」を見学したことがありました。その人はなんと!大型のカレンダーの裏側に歌詞を書いて提示していました。いくら大型とはいえ、カレンダーの大きさです。見る人にとっては小さいですよね。そしてさらにカレンダーの裏紙とはあまりにも失礼です!

 

歌詞を印刷して冊子のようにして作っている施設もありますが、このやり方には以下のような問題点があります。

  1. 字が小さい
  2. 姿勢が悪い
  3. 人によってはどこを歌っているのかわからなくなる
  4. 一人で歌っているようで一体感がない
  5. 何枚かある場合にはページを上手くめくることができず、お目当ての歌詞が見つからない人がいる

 

ということで摸造紙に歌詞を書き、ホワイトボードに貼る、というやり方が今のところベストかなあ、と思っています。

将来的にはプロジェクターを使う、という方法も考えられますが、経済的にも重量的にも負担がありますし、部屋を暗くする(暗くしなくても良いものもありますが高価)という弊害もあります。

 

さて、歌詞摸造紙、どんなことに気を付けて作ればいいでしょうか?

1.毛筆で書く(毛筆は太くて丸みがあり、高齢者は読みやすい)


2.難しい読み方、当て字には振り仮名を振るが、すべての漢字には振らない


3.なるべく作詞者が書いたとおりに書く(平仮名や漢字ははそのままで)


4.曲によっては歌詞に手を加えてある場合がありますが、なるべく当時のまま

  の歌詞を書く


5.フレーズに合わせて改行をする


6.作詞、作曲者名、歌手名、できた年などを書きこむのも良い


7.絵を書き入れて雰囲気を出すのも良い(こちらを併せてお読みください)


8.歌詞を何番まで書くかは曲によるが、歌う時の意図、歌詞の物語性などを考

  慮する


9・前の歌詞を繰り返す場合(歌集などには*ー*などで表示されています)

  も、できたら同じ歌詞を書く(視線があちこちに行かない方がいい


参考までに右上の歌詞摸造紙《あの子はたあれ》は私が使っているものです。

摸造紙はマス目のロールタイプ(30m巻)を使っています。1枚ずつのものを買うよりは経済的ですし、歌詞の長さに制限がないので便利です。

(参考)http://store.shopping.yahoo.co.jp/tabaki2/ed-141048.html

 


次に、どうすれば参加者の皆さんがよく歌い、満足できるのでしょうか?

1.歌いだしのフレーズを歌ってみる


2.指し棒や手で歌詞を指す


3.先読みをする


4.歌いだしの合図は「どうぞ」


5.歌詞が長く摸造紙がホワイトボードにからはみ出してしまう時には、誰かに

  持ってもらうか、複数枚の歌詞の場合は剥がす作業の時、間奏を入れて待つ

  のが良い(歌っている最中に歌詞をずらすのはNG)


6.歌詞指しをする人が大きな声でリードする


7.歌いやすいキーを選ぶ


8.ここはリズムが難しく、ずれてしまいそうだな、というところは予め説明し

  練習しておくのもいい


9.参加者の歌いやすいテンポで(カラオケなどはテンポが早すぎます)


10.1回だけではなく、参加者によっては2回(3回)と歌う


11.前奏はオリジナルがいいとは限らない

 


書きだしたらあれもこれもお伝えすることがあります。

今回はここまでとしましょう。

上手く歌わすコツについてはまた次の機会に。

 

歌詞摸造紙は財産です。管理にも気を使いましょう。

書くのは大変な作業ですが、歌詞の意味を深く理解することができます。がんばって書きましょう!


下の写真は手作り指し棒です。
ホームセンターにある園芸用竹の棒に金の星を付けました。

長いので大きなホワイトボードでも遠くの文字まで指すことができます。