みなさんは、高齢者集団音楽療法の目的、何に重点を置いていますか?
私は、「笑顔」ということを最も大きな目的に挙げています。
音楽をする前の無表情な状態を、音楽によって眼に光が灯り、表情が生き生きとしてきて、さらに「笑顔」や「笑い声」が出てくる状態にすることが一番の目的です。
著者の吉野先生は笑うことなど、脳内リセットすることが、リウマチの患者さんにいい効果があることを研究し、証明してきました。
介護が必要な高齢者のかたは、何かしらの痛みを感じられて生活しています。
この本を読んで
私の「笑顔」にするという目的は、「クライアントが感じている痛みを和らげ、免疫力を高める」という目的にも言いかえることができることがわかりました。
「笑いと免疫力」「泣き笑い健康法」吉野槇一著
2冊の本の内容を簡単に紹介します。
著者は「笑い」の実験を重ねました。そしてこう結論付けました。
「楽しい笑いは、乱れた機能を正常に戻し、神経・内分泌・免疫などの各系のバランスをとり、それぞれが円滑に働くようにし、炎症などに立ち向かう」ことが分かり、そして「基準値以上の過剰な働きはしない」のです。つまり「薬とは違う」ということです。
次に「笑い」と同じような効果があることは他にどんなことがあるでしょう?
・泣くこと
・全身麻酔をかけ脳の働活動を一時的に無にすること
この二つについては実験をしてその効果を確かめています。
「笑い」「泣く」「全身麻酔」は脳がどのような状態になっているのでしょう。
著者はこの状態を「脳内リセット」と名づけました。
精神的ストレス刺激(痛みなど)は、前頭葉から、その下流にある大脳辺縁系、視床下部へと伝わります。
視床下部は、神経系や内分泌系のコントロールセンターのようなところです。
この視床下部に普段とは違うストレス刺激が伝わると、神経・内分泌系が乱れ、その影響を受けて、免疫力も落ち、病気になりやすくなったり、病気の人はさらに具合が悪くなるのです。
脳のリセットとは、前頭葉から、大脳辺縁系、視床下部に至る情報伝達の流れがいったん遮断される仕組みです。
それまでの悪い流れが止まるわけなので、神経・内分泌・免疫系の働きも正常に戻るのです。
他に「脳内リセット」として考えられることは
・ノンレム睡眠
・夢中になれるもの(こと)
・座禅
があるのではないか、と著者は言っています。
そういえば、こんなことがありました。
「今日はお腹が痛くて」と言っていた人が、音楽療法が終わると「お腹痛いの治っちゃったわ」と言う。
「歩くのが辛い」と言って車椅子で来た人が、音楽療法が終わって、お部屋に戻る時にスタスタ自力で歩いて行った。
みなさんにも、そんなことはありませんでしたか?
音楽療法で、私たちができること
まずクライアントを「笑顔」にしましょう。
そして、歌ったり、楽器を奏でることに夢中にさせましょう。
コメントをお書きください
inaken (金曜日, 07 3月 2014)
笑いってのには良い力があるよね。
毎日の生活の中で、笑うことができるかどうかが健康のバロメーターだね〜。
玲子 (金曜日, 07 3月 2014 07:37)
いなけんさま
そうですね~
施設に入所している方や、一人暮らしの方などの高齢者が、一日に何回脳内がリセットされるほど笑っているでしょうか?
QOLの第一番目に掲げてもいいくらいの重要なことですよね。