6月は雨の季節。
北原白秋『雨』の中に「千代紙折りましょ 畳みましょ」という一節がありますね。
今回は折り紙の作品を見せながら、プログラムを進めていきます。
歌唱活動
- 雨 北原白秋作詞 弘田竜太郎作曲 大正7年
北原白秋の歌詞だと言うと「へ~」と参加者の方の意識がガラッと変わるのが分かります。
「なんだ童謡か」と思っていた人もちょっと気分がよくなりますよね。
「傘がない」と言っても、この頃は切実です。
唐傘でしょうか、破れてしまった、とか折れてしまった、とか誰かが差していってしまったとかいろんな理由があったのでしょうね。
参加者の中で、傘が無かったら「濡れていく」と言った方がいましたが、
なんと、下駄の緒も切れてしまったのでは致し方ありません。
「いやでもおうちで遊びましょ」となるわけです。
千代紙を折るのですから、実はいいとこのお嬢様なのかもしれませんね。
そんな話をしながら、今回のテーマ「折り紙」にもっていきます。
- かごめかごめ
「みなさんは折り紙、何が折れますか?」と聞いてみましょう。
「鶴」と真っ先に上がるのではないでしょうか。
そして折り紙「鶴」を見せましょう。
「うまいうまい」
「よく折ったなあ」
「千羽鶴も作ったよ」
皆さんの目が輝きますよ!
- 背くらべ 海野厚作詞 中山晋平作曲 大正8年
次は兜です。
「新聞紙でつくった」
「被ってチャンバラごっこしたよ」
「大将とか書いたなあ」
今度は男性の目が輝きます。
- 小鳥の歌
与田準一作詞 芥川也寸志作曲 昭和30年
これからは参加者の想像力が必要になってきます。
右の写真、何に見えますか?
「鳩?」
「うぐいす?」
みんな、首を傾げながら発言します。
答えは「小鳥」。自分の足で立つところが可愛いですね。
芥川也寸志は芥川龍之介の三男ですが、このような情報はとても重要ですから、必ず伝えましょう。歌への気持ちがガラッと変わります。
- 啼くな小鳩よ
高橋鞠太郎作詞 飯田三郎作曲 岡晴夫歌 昭和22年
この作品を見て、想像力を働かせて
「野鳩」と答えた男性がいました。
身近な題材で、可愛らしくて楽しくて、折り紙は自然に脳を活性化させていますね。
映画「啼くな小鳩よ」のワンシーンがYOU-TUBE にありました。ぜひご覧ください。
- 憧れのハワイ航路
石本美由紀作詞 江口夜詩作曲 岡晴夫歌 昭和23年
これは意外と分かりづらかったようです。船が半分しかないからでしょうか。
それにしても『憧れのハワイ航路』はすごい歌です。
特にこのあたりで歌うと、それまでの音の刺激もあり、
うつむいて寝ているような方も、手拍子をしたり、足でリズムを取ったりし出します。
一気に楽しい雰囲気になることでしょう。
この曲を1曲目に持ってきてもそう効果はないのです。
プログラムの中間あたりに持ってくると効果抜群です。
- もしもピアノが弾けたなら
阿久悠作詞 坂田晃一作曲 西田敏行歌 昭和56年
これはみなさんすぐにわかりました。
この歌は知らない、歌えない人も多いです。
参加者によって歌うか否か決めましょう。
歌唱・楽器活動
- かたつむり
吉丸一昌作詞 作曲者不詳 明治44年
これはなかなか答えは出ませんでした。
角を説明すると感のいい人が嬉しそうに「かたつむり!」と言います。
分かってしまえばみんなニコニコです。
一度歌って、ベルの旋律奏をします。
旋律奏が難しければ小物楽器を持って、合いの手を入れましょう。
歌詞は外します。その方が楽器に集中できるからです。
「でんでんむしむし かたつむり」「ほい!」
「おまえの頭はどこにある」「ほい!」
「角だせ槍だせ 頭だせ」「ほい!」
この「ほい!」の掛け声はそれだけでも楽しくなりますが、そこで楽器を鳴らします。
上手くできたら「ほいほい!」
さらに「ほいほいほい!」と鳴らしましょう。
とても楽しく鳴らすことでしょう。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。
- 瀬戸の花嫁
山下路夫作詞 平尾正晃作曲 小柳ルミ子歌 昭和47年
「ワンピース?」「ドレス?」などと答えが出ます。
「白いですよ」とヒントを与えると・・
「ああ、花嫁さんの」とニコニコ。
この作品は皆さんに褒めていただきました。
ほとんどの方が知っています。素晴らしい曲ですね。
6月ということもあり、この歌で〆ましょう。
折り紙の作品を見せ、それが何なのか分かるには、思考したり想像したり、といった高度な能力が必要です。
高度な能力も、身近なもので、楽しければ、そう大変ではありませんね。
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