『ニルスの国の認知症ケア』を読んでの備忘録。
著者の藤原瑠美さんは2005年から
スウェーデンの高齢者ケアの定点観測を続けています。
音楽でできること
高齢者ケアの三原則の②
「残存能力、潜在能力の活用」
ここに私たち音楽療法士のできることがたくさんありますね。
音楽療法の目的に自信を持って掲げましょう!!
そのためにはどんな方法があるのか、考えてみましょう。
スウェーデンでは認知症の方でも一人暮らしができます。
一体なぜなのでしょうか?
スウェーデンの高齢の方々は
「寂しさを我慢してでも自分らしく生きる価値を知っている」
ではどのようなケアがあるのでしょうか?
■この考え方が日本で浸透したらとてもいいと思います。
◇訪問介護の方針
・短いケアでより多くの人を訪問する(15分ほどの訪問時間)
・できることは本人にやってもらう。過保護な介護からの脱却。
・掃除、選択、調理を訪問介護からの切り離す。(サービスパトロールが行う)
短い時間でも対話能力が高いので
訪問したというぬくもりを高齢者の心に残すことができる。
「ケアの質と技術の開発プロジェクト」
政府が149億円/年を2年間支給してケアの質と技術を向上させた!!
◇薬について
認知症ケア全体で薬が占める割合は多くない。
薬よりも環境や思いやりのある接し方のほうが大事。
これは科学的に実証されている。
◇個人情報の共有
「私の記録」「私の介護ニーズ」という書類がある
「私の記録」
①名前、電話番号
②私はどんな人間か、子どもの頃のこと、人生での大切な経験、感受性、嫌なこと、嗜好(好きな食べ物、嫌いな食べ物、食物アレルギー、好きな音楽、嫌いな音楽
③好きなテレビ・ラジオ番組、購読している新聞、何をするのが好きか・嫌いか
④髪について、肌の手入れについて、お風呂の入り方について、爪の手入れ、お化粧、喫煙
⑤特別な住居にもっていきたいもの
⑥今の家に住み続けられなくなったらどこに住みたいか
⑦呼吸困難になったら 人工呼吸器を使うか使わないか
食べ物を飲み込めなくなったら 胃瘻を付けるか付けないか、点滴をするかしないか
「私の介護ニーズ」
身体的・精神的機能を維持するために自分で行えることと
手助けが必要なことが書かれている
例えば
自分で行えること
・8:00に起床(自分で起きられる)
・自分で歩いて食堂で食べることを希望(食事介助は不要)
・服は自分で着られる
手助けが必要なこと
・トイレは介助が必要
・部屋の場所を忘れるので連れていってほしい
・ディナーの服を一緒に選んでほしい
就寝や起床時間は個人個人違う
シャワーの時間、食事をどこで食べるか、自分で朝食を準備したいかなど
その人らしい暮らしを大事にしている。
本人が参加する。
・根本には病院で亡くなることを避けたいという考え方がある
病院に送っても生活の質(QOL)は改善されない。
・合意項目
①鎮痛剤の有無
②飲み物を受け付けなくなった時の対処
③輸血をするかしないか
病院へ搬送するとか、人工呼吸器を必要とするかは、すでに合意項目に入っていない。
◇看取りのチーム(アンダーナースと看護師)
住み慣れた自宅で最期を迎えたい人の為に
自宅での臨終期に24時間寄り添ってくれる。
◇スピリチュアルペイン
肉体的な痛みは精神的向上で軽くなることもある。
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