「旅」
たまにはのんびりと旅をしたいな、なんて思っても、
なかなか実現しませんね。
高齢者の方々はなおさらでしょう。
そこで、
歌で日本の色々なところへ旅をするという
プログラムを考えました。
題して「歌で旅気分」
では出発進行!
「今は山中 今は浜 今は鉄橋渡るぞと
思うまもなくトンネルの 闇を通って広野原」
この歌は不思議と楽しい気分にしてくれますね。
蒸気機関車に乗ったことありますか?
すごい煙だったこと、独特な煙の臭いがあったこと、
トンネルになると窓を閉めて煙が入ってこないようにしたこと、
家に帰って鼻の穴を掃除すると真っ黒になっていたこと、・・
とても懐かしい気持ちになります。
2014年10月1日は新幹線が開業してから50周年の記念すべき日でした。
そこで今回は「東海道新幹線各駅停車の旅」がテーマのプログラムを作ってみました。
なお、開業50周年については詳しくはこちらをご覧ください。
最近の嬉しいニュースは「富岡製糸場」の世界遺産登録でしょうか。
これが正式に登録されると日本では18か所目の世界遺産となります。
富岡製糸場にはボランティアの解説員がいるそうです。
その方々の地道なPRが実を結んだのでしょうか。
ということで今回は「世界遺産つながり」なプログラムです。
まずは日本の世界遺産の紹介から。
ひとつひとつ紹介すると、みなさん、興味深く聞いていました。
「ああ、そうなんだ」「行ったことあります」「へえ」などといろいろな反応がありました。
歌唱活動
たいがいの人が大きな声で歌えます。字が見えなくても、認知が重くても、2番まで歌えます。2回歌うとほとんどの人が歌うようになります。
富士はなにが日本一なのでしょうか?
「高さ」「かたち」という声がすぐにあがりました。
関東に住む私は、晴れた日には富士山を見ることができます。
そんな時は、思わず「今日はいいことがある」と嬉しくなってしまいます。
登ったことがある方もたくさんいました。
京都のお寺と着物が出てきます。
しっとりとしたステキな曲ですね。
お寺や着物の話をしてみましょう。
いろいろなキーワードがありますね。
話しのきっかけとして、しっかり下調べをしておくといいと思います。
「懐かしい」と喜ばれます。
富岡は群馬県にありますが、群馬県では小学校の運動会は「赤城組」「妙義組」「榛名組」と別れて競い合うのだそうです。この3つの山は市街地からもよく見える県民に親しまれている山なのです。
赤城山には縁深いのが「国定忠治」です。
講談、映画、お芝居と、全国民に親しまれたやくざの親分です。
楽器活動
昭和39年
前奏や間奏にある「ブンチャ タタタタッタ」というリズムは「ドドンパ」です。
ドドンパは都々逸とルンバを合わせたリズムだそうで、小沢昭一、永六輔、中村八大らが考え出したものだそうです。
このリズムを使って合奏をしましょう。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。
法隆寺と言えば「柿食えば鐘が鳴るなり 法隆寺」という正岡子規の俳句が浮かびますね。
今回は歌った後に、ベルの旋律奏をやりました。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。
9月8日、東京でオリンピックが開催されることが決まりました。
この日、音楽療法で伺った老人ホームで93歳の男性入居者様が興奮気味に「7年後私はちょうど100歳になる。これはすばらしい巡り合わせだ。生きる希望ができた」と言われました。
7年後、「もう生きていないよ」という発言が多い中、この前向きな発言に感動してしまいました。
それで、こんなプログラムを考えてみました。
白板に大きく東京オリンピックと書きます。7年後の開催であること、どんな東京になってほしいか、どんな種目で活躍するのか、昭和39年の東京オリンピックをおぼえているか、白黒テレビを月賦で買ったことなど会話とともにプログラムを進めていきましょう。
未来に希望を持ち、がんばって生きて皆で一緒にオリンピックを観ましょうと元気づけましょう。
歌唱活動
高齢者の皆さんが大好きな曲です。
1番2番3番と東京の名所を1か所ずつ話しあってみましょう。
2番の歌詞は九段坂とありますが、靖国神社で眠っている戦死したお兄さんのことを歌っていることに気づいてください。高齢者の皆さんはちゃんとわかっています。涙される方も多いです。
3番の浅草浅草寺は今でも人気の観光スポットですが、かつては浅草は今以上ににぎわっていました。映画館、芝居小屋、寄席があり、娯楽の町でもありました。「結婚前に相手の人と1回だけ浅草で映画を見て、帰りに仲見世で下駄を買ってもらいました」と懐かしそうにかわいらしく話された方がいました。
「おっ母さん」は今では時代劇の中の呼び方ですが、当時はおっ母さんと呼んでいた方もいらっしゃいます。他にどんな呼び方をしていましたか?と聞くとほとんどの方が懐かしそうに笑顔で答えてくれます。
この歌も人気があります。
花売り娘というと「マイ・フェア・レディ」を思い出しますが、この歌の娘さんもそんな境遇なのでしょうか。
2小節ずつ全音符で歌いますので、対象者が拍をはしょってしまわないように伴奏を工夫しましょう。また、歌詞指しも音が伸びている時は最後の文字に止まったままで次の歌詞を指さないことが大切です。
1番は銀座、2番は神田、3番は浅草、4番は新宿というようにこれまた歌で東京見物できますね。浅草はジャズの踊り子さん、新宿はなまめかしいダンサーが出てきます。神田というのは古本屋街、学生街です。ニコライ堂はお茶の水にありますが、高台にあって緑色の屋根が目を引きます。
「楽しみやこ(みやこ)恋のみやこ(みやこ)」というふうに掛け合いで歌うのも楽しいですし、掛け合いの部分を手拍子を3回入れるとみんな笑顔になります。
知らない人もいるかもしれません。どんな歌か少し歌ってみると「ああ知ってる」と言う声があがります。
2番の歌詞がとてもポジティブで個人的に気に入っています。
楽器活動
曲の始めの方は歌うのが難しいです。「オリンピックの顔と顔~」の部分はよく知っています。
今回はCDに合わせて合奏をしましょう。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。
歌唱活動
最後はこの歌で締めましょう。昭和39年のオリンピックで柔道が正式種目になりました。翌年40年のレコード大賞に輝いた曲です。ひばりさんの勇ましい歌いぶりをお聴きください。この姿をお話しすると皆さん「そうそう」と笑顔で思いだされます。
参考 東京が付く曲
東京アンナ、東京キッド、東京行進曲、東京午前三時、東京のバスガール、東京ナイトクラブ、東京の灯よいつまでも、東京音頭、東京の屋根の下、東京ブギウギ、夢淡き東京
他にもご存知でしたら教えてください!
NHK朝のテレビ小説「あまちゃん」はとても人気がありましたね。
今回は「あまちゃんのふるさと岩手県 音楽と文学」をテーマにしたプログラムです。
導入
あまちゃんのテーマを演奏します。楽譜はいろいろ出ているようですのでお探しください。
すぐに分かって手を挙げる人、ニコニコしながら聞いている人、首をかしげて分からない人、反応はいろいろでした。皆さんの現場ではどうでしょうか?
歌唱活動
岩手県が生んだ演歌歌手と言えば千昌夫ですね。「今は9月ですが」と前置きをして、季節が違うということを伝えてから歌いましょう。
岩手県出身の方はいらっしゃいますか?と問いかけます。もしもいらっしゃったら岩手のことをお聞きしてみましょう。ニコニコしてお国自慢をしてくれたら嬉しいですね。「岩手ではないけど」と手を挙げその方の出身地「秋田県」のことを話された方もいました。そんな話を聞けたらもう一度歌うのもいいでしょう。懐かしさに涙を浮かべて歌われる方もいます。
3番まで歌いたい方がいますので、歌詞は3番まで書くのがいいでしょう。
岩手県が生んだ演歌歌手2番手は新沼謙治。彼のヒット曲はこの1曲くらいと思いますが、愛されるキャラなのでしょうか、よくNHKの歌謡ショーに出演していますので、馴染みはあると思います。
Bメロが難しく歌えない方もいますので、まずBメロ(日の暮の公園で~)を練習してから全曲を歌いましょう。
高齢者の方が好きな曲のひとつです。歌詞は全部書くといいでしょう。
「あたしゃ出られぬ籠の鳥」と歌詞にありますので、対象者によって歌うに適しているかは熟慮する必要があります。
3番まで歌いたい歌です。歌いやすく好きな方がたくさんいらっしゃいます。
「別れに星影のワルツを歌おう」のあと、原曲は1小節歌は休みになりますが、続けて歌われる方が多いので、この小節は省略してもいいと思います。
岩手県を流れる川に北上川があります。星つながりで北上夜曲に移行するのが今後の展開にもいいでしょう。
星影のワルツ同様ロマンチックな気分になる曲です。みなさんがうっとりするような雰囲気作りをしましょう。
曲と詩の紹介
前の2曲も星・銀河の歌でしたが、岩手県の生んだ代表的作家宮沢賢治も「銀河鉄道の夜」「よだかの星」など星に関連する小説を書いていますね。岩手県は星のきれいな所なのでしょう。
あまちゃんの中にも時々BGMで流れるようです。知らない方には新しい知識として、知っている方には満足感を満たすように、紹介しましょう。
石川啄木の詩に越谷達之助が曲をつけました。とても美しい曲です。鑑賞として演奏してもいいでしょう。歌詞を紹介します。
啄木は短歌もたくさん書いています。有名なものをいくつか紹介しましょう。知っている方は多くいらっしゃいます。予め書いてきたものを貼ったり、白板に書いたりして皆で朗読します。みなさん張り切って読んでくださいますよ。
今回は「男性が主人公(しかも男らしい男)で、歌でいろいろな所へ旅ができる」そんな歌を選んでみました。
少し前、王将戦で17年ぶりに20歳代の王将が誕生したそうです。そこで調べてみました。将棋のタイトルは7つもあります。王将はその中のひとつです。
将棋の駒で一番強いのは王将ですが、将棋駒のセットには王将は1つしか無いことを知っていますか?では、もう一つの王将は?・・・それは玉将なのです。これは高齢者の方でも将棋をさせない方は知らない方が多く、驚かれますよ。
実際に将棋盤や駒を見せながらミニ講座をするのもいいですね。
さて、この歌の主人公は坂田三吉という明治、大正、昭和と3つの時代で活躍した棋士です。 村田英雄が歌い、大ヒット、レコード大賞も受賞しました。
舞台となっているのは大阪です。
この歌については当サイト内「音楽療法の現場から」に書いています。こちらをご覧ください。
楠正成・正行親子の歌です。内容についてはこちらをご覧ください。このサイトは他にもいろいろな歌について書かれている大変重宝するサイトです。
戦前には修身の教科書に載っていたので、その頃の方はよく知っています。
私の現場では楠親子の時代を聞くと「足利尊氏の頃」としっかり答える方がいました。また、湊川の戦いは兵庫県神戸市が舞台ですが、神戸出身の方が懐かしそうに「湊川神社」のことを話してくれました。
松とは富島松五郎のこと。松を主人公とした映画は何度もリメイクされていますが、村田英雄が歌ったのは三船俊郎が演じた映画です。ぜひ一度ご覧ください。
この歌の舞台は小倉です。
歌の最後のこぶし回しが難しいです。しっかりと先に練習してから歌いましょう。まず、私たちがしっかり歌えないとダメですね。
言わずと知れた国定忠治の歌です。国定忠治に関する歌は他にもありますが、今回はこの歌を選んでみました。
テレビが無かった時代、お祭りの楽しみは旅芸人の一座が演じるお芝居でした。国定忠治はその中でも人気が高かったことでしょう。一座は人々に楽しみを与え、その部落の人々は彼らに一宿一飯のお返しをしたんだそうです。
群馬県出身の方に赤城山のことをお聞きすると、目を細めて懐かしがり「3つの山からできているんだよ」と話してくれました。調べますと3つではなくて8つの山の総称のようです。3つの山と言うのは榛名山、妙義山、赤城山の「上毛三山」のことを言いたかったのかもしれません。
今年7月後半の話題と言えばやはりオリンピックでしょう。
今回のテーマは「イギリス」です。
このテーマを決めて、イギリス民謡を調べてみると、馴染みのある曲では《埴生の宿》《故郷の空》《庭の千草》《蛍の光》などがありました。
しかし、《埴生の宿》以外は季節外れの曲です。(《埴生の宿》も春と秋の歌で夏ではありませんが)
なので、海の歌からイギリスへと導くプログラムを考えてみました。
歌唱活動
「海の日」を話題にします。「今日は7月何日ですか?」と尋ねます。白板に今日の日付を書き入れ、横に7月16日と書きます。「では16日は祝日でしたが何の日ですか?」と「海の日」を導きます。
この質問をしたら、99歳の女性が「東京のお盆」と発言!確かにそうですね。
「海の日」は当初7月20日に定められましたが、ハッピーマンデーにより、日にちは流動的になってしまいました。
もともと「海の記念日」だったこの日を平成8年に祝日に定めました。
そんな話題をしながら「海の歌と言えばどんな歌がありますか?」と訊きます。
きっとこの歌があがるでしょう。
海の歌と言えばの質問ではこの歌もあがります。
「うみはひろいなおおきいな」で始まる童謡です。
3番は「うみにおふねを うかばせて いってみたいな よそのくに」
「船を浮かばせてどんな国につきますか?」の質問には「北朝鮮」と答えた方もいらっしゃいました。みなで爆笑しました。
そこで次の歌を導きます。
ハワイに行ったことのある方は結構いらっしゃいます。楽しい思い出をお聞きするのもいいですね。
また、歌詞にある「トレモロ」の説明を求められることがありますので、ご存知ない方は調べておきましょう。
ではもうすぐ始まるオリンピックはどこですか?ということからテーマを導きます。
高齢者には馴染みのあるこの歌はイングランドの生まれのビショップが作曲しました。「ビルマの竪琴」の中の「埴生の宿」の大合唱は有名ですが、戦争の中でも(中でこそ)音楽は人の心をいやすのですね。
英名は「Home! Sweet Home!」(懐かしき我が家)です。
まもなく冬季オリンピックが開催されますね。今回はそれにちなみ「ロシア」をテーマにしたプログラムです。
ロシア民謡には馴染みのない方もいますので、楽器活動やアクティビティ活動を取り入れて、歌うよりもその他の活動に重きを置きました。
締めくくりはやはり馴染みのある日本の曲を歌った方が満足感が増します。
外国の曲と思われている方も多いですがれっきとした日本の曲です。
ペチカとはこんなものです。
今日も樺太に子どもの頃住んでいた方が「お隣の家にありました」と、話されると、すぐに「あれ暖かいのよ~」と軽井沢出身の方が発言され、しばしペチカの話題で沸きました。
ソチとはロシアのどのあたりにあるのでしょうか?世界地図、拡大ロシアの地図で説明します。
日本はここです、と言うと「小さいねえ」。
ロシアはここでその下にはモンゴル。モンゴル出身のお相撲さん、最近多いですよね、と言うと「そうそう」と頷きながら。
みなさん、興味深く見てくれますよ。
知らない方もすぐに歌えるようになります。
なんともお気楽な1週間の歌ですね。
職員の方と予め打ち合わせをしておいて、楽しい1週間の替え唄を作ってみましょう。笑顔まちがいないですよ。
戦後歌声喫茶というものが出現。反戦運動も手伝って若者がたくさん通いました。
歌集を買って、アコーディオンなどの伴奏で皆で歌います。新宿の「ともしび」と言う名前の喫茶店が有名でした。
そこで歌われていた歌の中にロシア民謡も多く含まれていました。
鈴を配り、自由に鳴らしながら歌いましょう。鈴が入るだけで雰囲気が変わります。まるで雪の中を走っているような感じがします。
この歌をご存知の方は多いでしょう。
私が子どもの頃(昭和30年代)、家にロシア民謡のソノシートのレコードがありました。その中にカチューシャもあったように記憶しています。
当時は流行歌として広く歌われていたのではないでしょうか。
ルールを決めて合奏をしましょう。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。
歌詞の中に「黒い瞳」という言葉が出てきます。「黒い瞳」は『トロイカ』にも
出てきますし、『黒い瞳(目)』という曲もあります。ロシアには黒い瞳の人が多くいるのでしょうか?
ルールを決めて合奏をしましょう。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。
アクティビティ活動
フォークダンスの楽曲です。踊ったことが無くても、メロディは聞いたことがあるでしょう。
まず、曲に合わせてフォークダンスを踊って見せます(動画がたくさんあります)。笑い声があちこちから聞こえてきます。
参加者は座っている場合が多いと思いますので、座ったままでもできるように工夫して足踏みにステップを組み合わせたり、手をパチンとたたいたりして曲に合わせて楽しみましょう。
割と元気な方は立ち上がってステップを踏んでいました。
参考
ロシア民謡は他にもたくさんあります。
ともしび、ポーリシュカポーレ、ヴォルガの舟歌、赤いサラファン・・
2020年の東京オリンピックのマラソン大会は札幌で行われることが決まりました。
そこで今回は北海道がテーマです。
まずは札幌に関連する歌から
浜口庫之助作詞作曲 石原裕次郎 昭和47年
「時計台の下で逢って」と始まる歌です。
私のクライアントの方々はこの歌はなじみが薄いようでした。
皆さんのところではどうでしょうか?
北原白秋作詞 山田耕作作曲 昭和2年
北原白秋が北海道を旅行した思い出を書いた歌詞です。
「アカシア」「時計台」「山査子」
北原白秋が通った道がアカシア並木になっているそうです。
萩原四朗作詞 上原賢六作曲 石原裕次郎 昭和37年
石原裕次郎は、父親が山下汽船の社員で、幼いころは小樽に住んでいたそうです。
以前は、小樽に、裕次郎記念館がありました。
「アカシアの花の下で」という歌詞で始まります。
映画には北海道のシーンも出てくるようですが、札幌とはあまり関係はありません。
『恋の町札幌』よりは馴染みがある歌です。
3曲すべてにアカシアが出てきます。
ここで出てくるアカシアはニセアカシアのことだそうです。
北海道を代表する花なのですね。
札幌の見どころを尋ねてみましょう。
時計台、ポプラ並木、大通公園、雪まつり、サッポロビール博物館、すすきの などがあがるでしょうか。